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F.L.U.T.D 下部尿路疾患って何!?

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F.L.U.T.D 下部尿路疾患って何!?

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猫がトイレでおしっこをしなくなったら、注意して観察しよう

聞いても、当然答えてくれない

猫って賢いんですよね。

だいたいの猫は猫砂入りのトイレを用意すれば教えなくてもできちゃう。
飼いたての時、子猫の時に失敗する場合は

・場所が気に入らない!
・砂が気に入らない!
・ほかの猫の匂いがする!

等、理由を探れば解決できることも多いですよね。

(トイレのあれこれは語ると長くなるので別記事にします。興味があれば→)

じゃあ、今まで失敗しなかったのに、失敗しているのは何で!?
お気に入りのソファーが汚れちゃった……

「コラッ!ここはトイレじゃない!」

と大声で怒鳴ってしまいたくなる人もいるでしょう。

……いやいや、よく考えてみてください。

教えなくても出来るメッチャ優秀な猫さんがおしっこをミスる。
これ、猫の習性から言って結構な異常事態なんです。

猫は自分の居場所を他の動物に知られては困るのです。
ハンターですからね。だから熱心に毛づくろいをして、常に匂いを消しています。
基本、彼らはハイパー綺麗好きです。

そんな猫が一番匂いを発する排泄をミスってるんですよ。
それって理屈に合わないでしょう? わがままだからとか、嫌がらせとか、
猫の性格で~という個体差の話では説明がつかないのです。

じゃあ原因は何なのか。それが問題です。

F.L.U.T.D 下部尿路疾患

猫の下部尿路疾患「F.L.U.T.D(Feline Lower Urinary Tract Disease)」って知っていますか?

尿路結晶とか、PHとか…猫の健康診断で指摘されたことはありませんか?
「あー」と心当たりがあったなら、これが原因でトイレを失敗している可能性があります。

ストレスの蓄積によって、結果的に下部尿路疾患になる場合も多いと思います。
猫の視点で考えてみましょう。

最初はなんらかの原因で失敗した。
→トイレが嫌いになった。行きたくない。
→トイレを我慢しちゃおう、水も飲むのを控えよう。
→尿の濃度が上がり、弊害が出る。
→尿路疾患になる。

このようなプロセスを辿ります。

補足ですが、体質としてF.L.U.T.Dに罹り易い猫もいます。
若いのに発症した。生まれつき腎機能が弱い。
この場合は尿路疾患にならないように気を付けてあげればいいですね。

はい、話を戻します。

さて下部尿路疾患といきなり言われても「???」ってなりますよね。
まず【F.L.U.T.D】って言葉がスッと頭に入ってこないんですよ。


覚えられないあなた。大丈夫です、気持ちはわかります。

要するに、腎臓・膀胱・尿道その他諸々のおしっこにまつわる疾患。
という理解をしてもらえればOKです。

マグネシウムとか、カルシウムとか……食事が原因なの??

尿が正常ではない一つの指針に結晶・結石の発見があげられます。
人間も尿路結石ができるように、猫にもできます。そして人間同様に死ぬほど痛いです。

人間だって成人男性でも、もがき苦しむ体験談は沢山あるでしょ? 
ヒトが感じる痛みランキングでいつも話題に上るでしょ?

人前で醜態をさらすのは死ぬほど恥ずかしい。
でもめっちゃ痛い。痛いを通り越して吐く。大の大人がのた打ち回る。
しかしもうどうでもいい。なんだっていいから、この苦しみから解放してくれ!
そんな気持ちを猫だって味わいます。

そりゃあ、おしっこもトイレで出来ないでしょう。マジで一大事なんですから。
猫だってツライんです。叱る前に解決してあげてください。

フードが原因なら、変えてあげましょう。

ごはんはバランスよく。かわいいからっておやつをあげすぎない。
肥満は大敵。特にオス猫に肥満は本当に大敵です。
尿道周りに脂肪がつくと、ごく小さな結晶が排出されずに体内で結石に成長します。
(オスはメスよりも尿道が長細いので、詰まりやすいのです。
逆にメスは尿道が短い分、細菌の進入に注意。
膀胱炎に罹りやすいです)

もう結晶が見つかったなら獣医さんの指示を仰いで適切な療養食を。

(バランスのいいフードって結局なにさ。プレミアムフード買っとけばいいの?
フードについての話はこちら→)

あとは食事の時間です。

尿のPHは食事後アルカリ性→食後8~10時間で酸性になります。
アルカリ性に依りすぎるのも、酸性に傾きすぎるのもよくありません。
一日に10時間、酸性に傾く時間を作り、
アルカリ由来の結晶は膀胱内で自力で溶かすように調整するのが良いと思います。

にゃーにゃー催促されるたびにおやつをあげて機嫌を取っていませんか?
習慣になるとマズイですよ。

「あ、こいつはしつこく鳴けば美味しいものくれるわ。ちょろいわ。ラッキー」

となっているなら生活を見直しましょう。
結局、その可愛い猫さんがツライ目に合います。

尿路に配慮されたフードもたくさんあります。
詳しく知りたい方はメーカーさんのHPに成分記載をチェック!

そもそもPHってなに? 理科の話?

尿のPHは一日中一定という訳ではありません。
PHは7.0が中性。7.0を下回れば酸性、上回ればアルカリ性です。

リトマス試験紙とか、懐かしいですよね。
あれでもおしっこのPHがチェックできます。
システムトイレのシートを外して、トレーにたまった尿に試験紙をペトッとするだけ。
アマゾンで安い試験紙を買ってみて一日の推移を見てみるのもいいと思います。
(まあ精度は商品に依りけりということで……)

もちろん、参考程度に留めてください。
半年~一年に一度は尿検査に行くことをオススメします。

さて、酸性だったらなんなの?アルカリ性だと駄目なの?という点について。

尿路結晶(結石)は2種類あります。

どっちかは獣医さんが教えてくれます。顕微鏡画面をモニターに映して見せてくれたりします。

ストルバイト結石


アルカリ性の尿で出来る結晶が成長し、結石になると言われています。
マグネシウム由来で出来る結晶ですがマグネシウムは猫の必須栄養素でもあります。
全く摂らないのも良くありません。
若い猫が疾患する尿路結晶は、ほぼこのストルバイト結晶(結石)です。
膀胱炎が原因で出来ることもありますし、逆に結晶のせいで膀胱を傷つけ膀胱炎になることも。

シュウ酸カルシウム結石


酸性の尿とカルシウムが原因で出来ます。高齢の猫がなりやすい結晶です。
7歳以上になったら、高齢猫用のフードに切り替えることを考えてみましょう。
ひと口に“尿路に配慮したフード”といっても、
成猫期と高齢猫期でフードに含有されるカルシウム・マグネシウムの量が違うのです。
「配慮って書いてあるから大丈夫だ」と思わず、猫の年齢も考慮してあげましょう。

どちらにせよ予防には第一に水分。

新鮮な水を常に用意。飲まないコにはウエットフードからの水分摂取を。


(水分の話は別記事で。飲んでくれない!目標量がわからないなどはこちら→)

そして運動が効果的。
特に上下運動を取り入れると尿が撹拌され、小さな結晶は尿で排出されます。

散々語っておいてなんですが、
「獣医でもないのになんでこんなこと記事にするの? メーカーの人?」
的な疑念を抱く方に、お伝えします。

なぜなら痛い目にあったからです。

いや、ならないのが一番ですよ。今でも心がひゅんっとなるエピソードをひとつ。
何を隠そう……

うちの猫もストルバイト結晶を出したことがある!

我が家には猫が2匹います。
うちの猫はですね、2匹のうち1匹のオスが発症しました。

左:健康診断問題なし。名前はハギ 
右:ストルバイトが尿検査で見つかる。名前はミソ

それも1歳半で。

もうね、本当に焦りました。


嘘だろと。


自慢じゃないですけどね、食事には気を使ってたんですよ。

あまり添加物のないものをとか、グレインフリーがどうたらとか、
カルシウム・マグネシウム・リン比率を計算したりとか?
食いつきのいい、体にも良いフードを探して。
サンプル取り寄せたり、サンプルがなければ小さめのパックを何種類も買って……

メーカーページの成分表
(これが各社の表記が違うんでね、一覧にするのに苦労しましたよ)
それをエクセルで纏めて、2匹とも調子の良かった餌を選んでと。
ウエットフードもたっぷり、毎日遊んでましたし。
てか2匹で思いっきり運動会してましたし……

そして定期健診の尿検査で引っかかると。

ここまで気を使ったのに? なのに結晶がある?

当然、絶望しましたよ。
だってなんの前触れもなかったのです。良く食べ、よく遊び、トイレ完璧。
それなのに。

「えっ。PH9.0? 嘘でしょう?」

そう。9.0をたたき出しちゃったんです。

アルカリじゃないよね、そんなの。もはや強アルカリでしょう。
そんな「ハイタ―かな?」レベルのアルカリ尿が入ってて膀胱大丈夫なの?

ここで怖いのは何かと言えば他でもない……

2匹とも全くの同い年で両方ともオスだったってことですよ。

(同じ発情期で生まれた、おそらく父親違いの同腹の子猫だった)
生後半年で2匹とも引き取り、まっったく同じ食事をして、同じような運動量に体重。

なのに1匹だけ結晶を出して、もう1匹は文句なしの完璧な健康体。

半分遺伝子が一緒なのに?
同じ食事と運動量なのに?
どっちも遊び好きで、同じくらい家族に懐いていて
毎日おはようからおやすみまでキャッキャ楽しく暮らしてて?
2匹はすごく仲良しで、ストレスの欠片もなさそうだったのに?

これ、初見で見分け付きます????

獣医さんもビックリしていました。
細菌由来でなったか、もともとの体質かは判らないとの見解でした。

血尿ではなかったので、目視で見つけるのは、相当の玄人でないと難しいと思います。
人によっては「おしっこ玉がキラキラしている」などで見つけられるみたいですね。

まあ原因の特定は難しいとのことで、とにかく治療スタート。

膀胱炎などを併発する前に見つかって良かったですし、
結晶が出ていても結石というほど大きくないので(顕微鏡で見えるレベル)
食事で溶かし、自然排出を促すことになりました。
あとは、水分を積極的に取るくらいしか対処法は指示されませんでした。

療養食はロイヤルカナンのPHコントロール0から始めました。
(PHコントロールは現在リニューアルして別の療養食が出ていますね)
うちのはヒルズとブルーバッファローは食べませんでした。
こればっかりは、最優先で「食べる療養食」です。
ロイカナさんはデータも明瞭で信頼できますし、塩分濃度の高さも理由は納得できました。
最優先は結晶の消滅と排出です。

※自己判断で療養食の開始、中止は危険です。療養食は“予防食”ではないです。
塩分などが多く含まれ、常食に向いていない製品もあります。

そしてネットや本で調べまくり、飲み水の管理を徹底し、やがて完治しました。
1か月後の尿検査ではPH6.5。顕微鏡でも結晶は見つかりませんでした。
良かった。ほんと……大事にならなくて。

まあ再発のリスクはいつでもあるんですけどね。

それ以降、病的に水分量に気を使う時期がありました。
水分量足りてない?と思えば自家製ササミスープを作って、ごはんのお供にあげたり。

定期検査は本当に大事です。猫はあまり痛がりませんから。
痛がってる=相当ヤバい。これ大事。

我々が先回りして手を打つしかないですね。

猫のおしっこにまつわる悩みは尽きない……

しかし下部尿路疾患(F.L.U.T.D)については、気づいてあげれば手が打てる。

腎臓の負荷を減らすためにも、いざという時といわず日々の生活習慣を大事にしたいですよね。
腎臓の話はまた別の機会に。

トイレを失敗しがちな猫さんがいたら、血尿の有無に関わらず、尿検査受けてみませんか?

そんなお話でした。

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